気付いたら。
大好きな君のことを思いながら布団に潜り込み、好きだから付き合ってと私から言ったはずだった同い年の彼氏に別れを告げた。
思っていたよりもあっさり返事が返ってきて、もっと傷付けてから別れてやれば良かったと後悔する。
全然好きじゃなかったのに、好きだと勘違いされてても困るから、殴り殺してやりたい。
いやお前にそんな事する程、私はお前を好きじゃないし、私を殴り殺してやりたい所だ。
鬱陶しい暑さとは掛け離れたこの涼しい自室で、ラブホテルを思い出させる布団の中で、君に会いたいという思いを爆発させた。
ちゃんと綺麗になったら君に会おう。それまでは会わないことにしよう、連絡したら駄目だ。
そんな決心を今すぐにでも破りそうな心情。
売れてなかったバンドマンが、売れてから出した、あのクソみたいな小説を読んだせいだ。
男の人に対して、相手をどうとも思っていないからしている、この行動でさえも特別に相手にしているみたいにも思えて、物凄く不快な気分になる。
君のことだけ思い出して、少し楽しいことして寝てしまおう。