まっその成長記録

自称ツイ廃メンヘラサブカル系女子の成長記録

気付いたら。

大好きな君のことを思いながら布団に潜り込み、好きだから付き合ってと私から言ったはずだった同い年の彼氏に別れを告げた。

思っていたよりもあっさり返事が返ってきて、もっと傷付けてから別れてやれば良かったと後悔する。

全然好きじゃなかったのに、好きだと勘違いされてても困るから、殴り殺してやりたい。

いやお前にそんな事する程、私はお前を好きじゃないし、私を殴り殺してやりたい所だ。

鬱陶しい暑さとは掛け離れたこの涼しい自室で、ラブホテルを思い出させる布団の中で、君に会いたいという思いを爆発させた。

ちゃんと綺麗になったら君に会おう。それまでは会わないことにしよう、連絡したら駄目だ。

そんな決心を今すぐにでも破りそうな心情。

売れてなかったバンドマンが、売れてから出した、あのクソみたいな小説を読んだせいだ。

男の人に対して、相手をどうとも思っていないからしている、この行動でさえも特別に相手にしているみたいにも思えて、物凄く不快な気分になる。

君のことだけ思い出して、少し楽しいことして寝てしまおう。

私の話。

私はどこにも行けない。

私はなにもできない。
 
午前3時42分。
自分の大切な荷物をスーツケースに詰めている。
大好きなバンドのTシャツ、CD、イヤホン、お菓子、本、化粧品、全財産…。
 
私は朝になったらこの街を出ていく。
もともと生まれ育ったあの街へ。
 
まず、どうしてこういうことになったのか思い出してみよう。
きっかけは本当に些細なことだった。
 
いつもの月曜日、いつもの学校、いつもの人間。
なんとなく、みんなより1歩引いて世界を見ていた。
憂鬱な気持ちは相変わらず私を取り巻いて離してはくれない。
かと言って、話してくれる程の余裕もない、そんな私の憂鬱。
(嗚呼、このままどこかへ行ってしまいたいなあ。)
そんな時、ふと話しかけられる。
クラスの人かもわからない、別に仲良くもないそんな人。
(ほんとお前誰だよ。)
 
「また明日ね!」
 
明日が必ず来るとも限らないのに。
私が明日この世界に居るとして信じて疑わない。
 
こんな変哲もない永遠に続く世界を壊してやりたいと思った。
 
普通じゃ嫌なんだ。
平凡なんかじゃ。
私はもっと何かできるはずなんだ。
変えてやる。変えてやる。
 
私がお前を壊してやる。
私が世界を壊してやる。
 
世界が変わらないなら、私が変わってやる。
 
午前4時35分。
淡々と時間は過ぎて、支度も順調だ。
 
ふと思う、こんなことしても何も変わりはしないんだろう。
わかってる、わかってるよ。
でも、私だけの世界を、世界を。
 
上り電車に乗るだけなのに、どうしようもないこの高揚感。
 流れる、流れる。人。
止まる、止まる。私の感情。
 
嗚呼、君に会いに行ってしまおうか。
 
 
私には大切な人がいた。
彼は願ってはいないけれど、私は愛していた。
どうしてこうなってしまったのか。
そんなことは今更どうだっていいけれど。
私はただただ彼を愛していた。
もしかしたら、誰でも良かったのかもしれない。
でも、確かに彼は私の中で大切な存在でであることに変わりはない。
 
それでもいいと思っていた。
それでもよかった。
 
大事な事は、快感以上を彼に求めてはならない。
 
感情を抑制すればする程、自分が駄目になる。
尚のこと、毎日を憂鬱にしているのは私なのである。
 
彼は優しかったし、それで良かった。
愛しているだけで、それで良いんだ。
 
彼に会いに向かう時の高揚感。
それは今と同じこの高揚感。
 
私はスリルを求めていたのだろうか。
私は人生に刺激を求めていたのだろうか。
私はみんなと違うことがしたかったのか。
私は変わりたいのか。
私は彼に愛を求めていたのだろうか。
 
わからない、わからない。
 
でも、行かなくちゃ。
謎の使命感に背中を押される。
 
あ、忘れてた、彼氏からの連絡。
 
最後に大切なリュックを背負う。
部屋を見回して、優越感に浸る。
 
足音をたてずに、息を潜めて階段を降りる。
 
(うん、スーツケースが大きいな。)
 
扉の前で一呼吸した。
 
終われこんな世界。
こんな社会。
 
何も変わらなくてもいい。
大切なのは行動してみること。
 
このまま日が昇って学校に行くなんて。
そのままの形なんて。
 
 
はじまる私の世界。
 
はじまれ私の世界。
 
 
イヤホンをする。
クリープハイプが耳に流れ込んでくる。
煩いな。高いな。

バンド。

あの時ダサいと思ってたあの歌詞も

あの時共感できなかったあの歌詞も
 
段々私の中に入ってきて
段々私の中で馴染んできて
 
恥ずかしいなあ
かっこ悪いなあ
 
気付いたら好きになってた
 
情けないなあ
分からないなあ
 
君なんて大嫌いだよ
 
悔しいなあ
好きだなあ

映画。

最近園子温さんの映画を片っ端から見ている。

素晴らしい。

彼の映画は素晴らしい。

私が求めていたものはこれなんだと思う。

この感覚。

切ないのに、愉快で、汚くて、儚くて。

ずっとこの感覚に溺れていたい。

今このまま、時が止まって欲しい。

進む。

もしこの世に幸福しかなかったら

もしこの世に不幸がなかったら

いや、不幸があるから幸福がわかるんだ


どんなものでも壊してやる

嫌なもの全部壊して進んであげる

死ぬまで走り続けてるから

嫌でも走らされてる


上手くいかなくても

疲れてても

なんだかんだで生きられる


明日死ぬかもしれない

でも、その瞬間までには

まだこの世に居たかった

って思えるように

なれますように

溶ける。

夜が溶ける。
段々カーテンの色がはっきりとして。

朝が溶ける。
日常の幸せに息を弾ませて。

昼が溶ける。
1日の終わりに後悔があるとして。

音楽が溶ける。
イヤホンから耳に流れ込んできて。

世界が溶ける。
自分と歴史を重ねて。

日常が溶ける。
何が何だか分からなくて渦になって。

愛が溶ける。
儚い恋愛感情が離れて。

君が溶ける。
涙を流して目が溶けていく。

目が溶ける。
身を削って思いを吐き出して。

全部溶けるから美しいんだ。

全部溶けるからわかるんだ。

全部溶けるから好きなんだ。